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TASK 088

数字で見る岡山県 — 全国と比べた強み・弱み

「岡山は住みやすい」とよく言われますが、どの数字がそれを支えていて、どの数字が支えていないのかは あまり整理されていません。国が公表している統計だけを使い、岡山県の所得・生活費・人口・投資・出生率を 全国と並べました。都合のよい数字だけを選ばず、順位が低いものも同じ表に載せています。

出典
総務省統計局「令和7年国勢調査 人口速報集計」 https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2025/kekka/pdf/outline.pdf
総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告 2025年(令和7年)結果」 https://www.stat.go.jp/data/idou/2025np/jissu/pdf/2025gaiyou.pdf
内閣府経済社会総合研究所「県民経済計算(令和5年度)」 https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/kenmin/files/contents/main_2023.html
総務省統計局「小売物価統計調査(構造編)2024年 消費者物価地域差指数」 https://www.stat.go.jp/data/kouri/kouzou/pdf/g_2024.pdf
厚生労働省「令和6年(2024)人口動態統計(確定数)参考表(都道府県別順位)」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei24/index.html
経済産業省「2025年 工場立地動向調査」 https://www.meti.go.jp/statistics/tii/ritti/result-2/pdf/r07gaiyoshiryo.pdf
厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年3月分及び令和7年度分)」 https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/001695526.pdf
気象庁「過去の気象データ検索 平年値(年・月ごとの値)」 https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/nml_sfc_ym.php?prec_no=66&block_no=47768
取得日
2026-09-08
公開日
2026-09-08
件数
31指標(別ファイルの一覧表に全件を収録)
このページは国の公表統計を並べ直したものです。 統計は毎年更新されます。実際に使うときは出典元の最新の数字を確認してください。 また、県内でも地域によって数字は大きく異なります。県の平均値がそのまま個々の市町村や個人に当てはまるとは限りません。

先に結論

岡山県は「安く住めるが、稼ぎと人の流れでは負けている県」という形をしています。 住居費の安さ(全国46位=2番目に安い)と交通・通信費の安さ(全国47位=全国で最も低い)ははっきりした強みで、 合計特殊出生率1.27も全国平均1.15を上回っています。

一方で、人口は2020年から4.2%減り(全国は2.5%減)、2025年は5,594人の転出超過でした。 1人当たり県民所得は公表42県中30位です。「住みやすさの数字」と「稼ぎ・人口の数字」の向きが逆になっているのが、 岡山の特徴です。

主要指標の一覧

数字はすべて出典ページで確認したものだけを載せています。順位の母数が47ではないものは、その旨を書いています。

指標岡山県全国など順位年次
総人口1,808,664人全国 123,049,524人47都道府県中20位2025年10月1日
人口増減率-4.2%全国 -2.5%奈良県・広島県・大分県も同じ-4.2%2020→2025年
転入超過数-5,594人転入超過は7都府県のみ47都道府県中39位2025年
1人当たり県民所得3,034千円東京都 6,368千円公表42県中30位2023年度
物価水準(総合)97.7全国平均 100.047都道府県中38位2024年
物価水準(住居)82.0全国平均 100.047都道府県中46位2024年
物価水準(交通・通信)97.4全国平均 100.047都道府県中47位2024年
物価水準(光熱・水道)104.1全国平均 100.047都道府県中18位2024年
合計特殊出生率1.27全国 1.1547都道府県中20位2024年
出生率(人口千対)6.1全国 5.747都道府県中9位2024年
民間企業設備投資額1兆5,718億円県内総生産の19.0%公表42県中15位2023年度
工場立地件数7件岐阜県 72件/愛知県 55件出典に順位の記載なし2025年
有効求人倍率1.31倍全国 1.18倍47都道府県中19位2026年3月
年降水量(岡山地点)1,143.1mm最少は長野 965.1mm代表47地点中2位1991〜2020年平均
年間日照時間(岡山地点)2,033.7時間最長は甲府 2,225.8時間代表47地点中15位1991〜2020年平均

全31指標は同梱の okayama-key-indicators.csv に、 気象官署47地点の平年値は jma-normals-47.csv に入れています。 どちらも1行ごとに出典URLと取得日を付けています。

強みと言える数字

住居費が全国で2番目に安い。 2024年の消費者物価地域差指数で、岡山県の「住居」は82.0でした(全国平均=100)。 47都道府県のうち46位で、これより低いのは岐阜県(81.3)だけです。 東京都は127.2、神奈川県は112.9なので、住居費だけを比べると東京の3分の2以下の水準になります。

交通・通信費は全国で最も安い。 同じ調査の「交通・通信」は97.4で、47都道府県中47位(=全国で最も低い)でした。 出典資料は、10大費目のうち交通・通信の都道府県間比率を「東京都÷岡山県」で1.06倍と説明しており、 岡山県が全国の下限として名指しされています。

出生に関わる数字は全国平均より上。 2024年の合計特殊出生率は1.27で、全国の1.15を上回り47都道府県中20位。 人口千人当たりの出生率も6.1で、全国の5.7を上回る全国9位でした。 ただし合計特殊出生率は前年(2023年)の1.32から下がっており、全国と同じく低下傾向にあります。 なお婚姻率(人口千対)は3.8で順位は全国12位ですが、全国の4.0は下回っています。

設備投資は経済規模のわりに厚い。 2023年度の県内総生産(支出側・名目)は8兆2,600億円で公表42県中22位ですが、 そのうち民間企業設備投資が1兆5,718億円あり、県内総生産に対する比率は19.0%で公表42県中15位でした。 東京都は13.8%、大阪府は16.2%なので、大都市圏より設備投資の比重が高い構造です。

雨が少ない。 気象庁の平年値(1991〜2020年)で、岡山地点の年降水量は1,143.1mmでした。 各都道府県の代表的な気象官署47地点の中で、長野(965.1mm)に次いで2番目に少ない値です。

弱みと言える数字

人口の減り方は全国平均より速い。 2025年国勢調査の速報値で岡山県の人口は1,808,664人。2020年から79,768人減り、増減率は-4.2%と公表されています。 全国の減少率は2.5%なので、岡山県はそれより速く減っています。 -4.2%は奈良県・広島県・大分県と同じ値です。なお統計局は、2020年の人口を2025年の市区町村の区域に組み替えて計算しているため、公表されている人口から増減率を計算しても一致しないことがあると注記しています。人口が増えたのは東京都(+1.4%)と沖縄県(+0.1%)の2都県だけでした。

人が出ていく側にいる。 2025年の住民基本台帳人口移動報告では、岡山県は転入27,712人・転出33,306人で、5,594人の転出超過。 前年の5,583人からわずかに拡大しました。47都道府県中39位で、転入超過だったのは 東京都・神奈川県・埼玉県・大阪府・千葉県・福岡県・滋賀県の7都府県だけです。 中国地方では広島県が9,921人の転出超過で全国最多でした。

所得は中位から下、しかも年による振れが大きい。 2023年度の1人当たり県民所得は3,034千円で、この年に数字が公表された42県のうち30位。 前年度(2022年度)は2,635千円で42県中39位、その前年(2021年度)は2,847千円で28位でした。 前年度比は2022年度が-7.5%、2023年度が+15.1%と大きく振れており、単年の順位だけで岡山の所得水準は語れません。

光熱・水道は全国平均より高い。 2024年の消費者物価地域差指数で、岡山県の「光熱・水道」は104.1(47都道府県中18位)でした。 住居と交通・通信が安い一方で、この費目は全国平均を上回っています。食料も100.7(17位)で全国平均をわずかに超えます。 「岡山は何でも安い」わけではありません。

工場の新規立地は少ない。 2025年の工場立地動向調査で、岡山県の立地件数は7件・立地面積5haでした。 2024年は9件・9haです。同じ2025年に岐阜県は72件、愛知県は55件、兵庫県は51件、茨城県は49件を記録しています。 ただしこの調査は、その年に1,000㎡以上の用地を取得した事業者が対象で、集計率は70.3%です。単年の件数は振れやすい点に注意してください。

「晴れの国」は数字で裏づくのか

結論から言うと、「雨が少ない」は裏づきますが、「日照時間が長い」は言い切れません。 気象庁の平年値(1991〜2020年)を各都道府県の代表的な気象官署47地点で並べると、岡山地点の年降水量1,143.1mmは 少ない方から2番目でした。一方、年間日照時間2,033.7時間は15位で、1位の甲府(2,225.8時間)とは約190時間の差があります。 香川県の高松は2,046.5時間、広島は2,033.1時間で、ほぼ同水準です。

さらに、この数字は岡山市にある観測地点1点の値であり、県全体を代表しません。 同じ岡山県でも県北の津山地点は、年降水量1,416.0mm、年間日照時間1,779.0時間、年降雪量の合計44cm、最深積雪15cmです。 岡山地点は年降雪量の合計も最深積雪も1cmですから、雪については県内で大きな差があります。 「晴れの国」を県全域の話として使うと、県北の実際とはずれます。

分かったこと

調べきれなかったこと