使い方
「空き家率」は総住宅数に占める空き家(居住世帯のない住宅のうち、建築中・一時使用中を除いたもの)の割合です。 別荘などの「二次的住宅」や賃貸・売却のために意図的に空けている住宅も含むため、 いわゆる「放置された空き家」の数そのものではない点に注意してください (「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家率」の方がより実態に近い数値です。表中に併記しています)。
岡山県の空き家率の推移(全国比較)
岡山県の空き家率は1978年の7.9%から2023年の16.5%まで、45年でおよそ2.1倍になりました。 全国平均との差は年々広がっており、2023年時点で2.7ポイントの開きがあります。
図1 空き家率の推移 — 岡山県・全国(1978年〜2023年)
岡山県の空き家数の推移
実数でみると、岡山県の空き家は1978年の4.4万戸から2023年の15.7万戸へと増えています。 総住宅数の増加ペースより空き家の増加ペースの方が速く、これが空き家率の上昇につながっています。
図2 空き家数の推移 — 岡山県(千戸、1978年〜2023年)
市町村別の空き家率(令和5年・2023年)
調査方法の制約により、市町村別の数値は「人口1万5千人以上」の15市(岡山市は4区も表章)のみが公表されています。 最も高いのは高梁市の34.4%、最も低いのは総社市の12.3%でした。破線は岡山県平均(16.5%)と全国平均(13.8%)です。
図3 市町村別 空き家率(令和5年、降順)
市町村別の変化(平成30年→令和5年)
この5年間で最も空き家率が上昇したのは高梁市(21.8%→34.4%、+12.6ポイント)、次いで備前市(+6.7ポイント)、 美作市(+5.1ポイント)でした。逆に津山市は-1.2ポイントと、県内で唯一低下しています。
図4 市町村別 空き家率の変化(平成30年→令和5年、変化幅の大きい順)
データ表(市町村別詳細)
| 市町村 | 総住宅数 2018 | 空き家数 2018 | 空き家率 2018 | 総住宅数 2023 | 空き家数 2023 | 空き家率 2023 | 変化 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 岡山市 | 367,200 | 53,200 | 14.5% | 387,900 | 56,100 | 14.5% | ±0.0 |
| 北区 | 176,880 | 27,610 | 15.6% | 186,540 | 28,580 | 15.3% | -0.3 |
| 中区 | 73,220 | 11,040 | 15.1% | 78,670 | 11,690 | 14.9% | -0.2 |
| 東区 | 40,960 | 4,830 | 11.8% | 44,020 | 6,620 | 15.0% | +3.2 |
| 南区 | 76,170 | 9,680 | 12.7% | 78,690 | 9,200 | 11.7% | -1.0 |
| 倉敷市 | 215,170 | 26,040 | 12.1% | 232,370 | 31,540 | 13.6% | +1.5 |
| 津山市 | 52,630 | 11,200 | 21.3% | 49,280 | 9,890 | 20.1% | -1.2 |
| 玉野市 | 29,350 | 5,360 | 18.3% | 28,220 | 5,260 | 18.6% | +0.3 |
| 笠岡市 | 23,860 | 5,400 | 22.6% | 23,960 | 5,620 | 23.5% | +0.9 |
| 井原市 | 17,870 | 3,110 | 17.4% | 17,630 | 3,400 | 19.3% | +1.9 |
| 総社市 | 28,770 | 3,220 | 11.2% | 30,990 | 3,810 | 12.3% | +1.1 |
| 高梁市 | 15,900 | 3,460 | 21.8% | 18,020 | 6,200 | 34.4% | +12.6 |
| 新見市 | 14,190 | 3,190 | 22.5% | 14,530 | 3,340 | 23.0% | +0.5 |
| 備前市 | 17,150 | 3,830 | 22.3% | 18,320 | 5,320 | 29.0% | +6.7 |
| 瀬戸内市 | 16,270 | 2,840 | 17.5% | 17,360 | 3,270 | 18.8% | +1.3 |
| 赤磐市 | 19,190 | 3,090 | 16.1% | 19,560 | 3,200 | 16.4% | +0.3 |
| 真庭市 | 19,570 | 3,900 | 19.9% | 19,350 | 3,900 | 20.2% | +0.3 |
| 美作市 | 14,920 | 4,100 | 27.5% | 15,210 | 4,960 | 32.6% | +5.1 |
| 浅口市 | 14,380 | 1,810 | 12.6% | 14,260 | 1,960 | 13.7% | +1.1 |
| 県計 | 916,300 | 142,500 | 15.6% | 955,400 | 157,200 | 16.5% | +0.9 |
区分は北区・中区・東区・南区で構成される「岡山市」の内訳。県計に区は二重集計されません。 人口1万5千人未満の町村(里庄町・早島町・矢掛町・吉備中央町・和気町・久米南町・美咲町・ 勝央町・奈義町・西粟倉村・鏡野町・新庄村など)は調査方法の制約により個別公表されていません。
分かったこと
- 岡山県の空き家率は1978年7.9%→2023年16.5%と、45年でおよそ2.1倍。特に1993年から1998年にかけて9.4%→13.2%と急上昇している。
- 2023年時点で岡山県の空き家率(16.5%)は全国平均(13.8%)より2.7ポイント高く、全国順位は空き家率が高い方から18位(47都道府県中)。
- 市町村間の差が大きい。最高は高梁市34.4%、最低は総社市12.3%で、22.1ポイントの開きがある。
- この5年間(2018→2023)で最も悪化したのは高梁市(+12.6ポイント)。備前市(+6.7)、美作市(+5.1)も大きく上昇している。
- 逆に津山市は-1.2ポイントと、集計対象15市の中で唯一低下している。空き家の除却や利活用が進んでいる可能性があるが、この資料だけでは理由は分からない。
- 「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家率」(より実態に近い指標)は岡山県8.6%〔全国5.9%〕で、単純な空き家率より格差はやや小さい。
調べきれなかったこと
- 人口1万5千人未満の町村(吉備中央町・矢掛町・和気町など12町村)の空き家率は、この調査の公表対象外で数値が存在しない。
- 空き家の「立地」(市街地/中山間地)や「築年数」「腐朽・破損の有無」による分布は、今回参照した2資料には市町村別の掲載がなかった。県全体の腐朽・破損データが別集計にある可能性はあるが、今回は未確認。
- 2023年10月以降の最新動向(自治体の空き家バンク登録数など)は、この統計調査には含まれない。5年ごとの調査のため次回は2028年実施予定。
- なぜ高梁市が突出して上昇したか、なぜ津山市だけ低下したかの要因(人口動態、空き家対策事業の効果など)は、この資料からは分からない。