まず調べる:住所を入れるだけの公式ツール
以下は国・岡山市・岡山県がすでに公開している、住所を入力すればその場所のハザード情報が出てくるツールです。 新しく作るより、こちらを使うほうが正確です。
| ツール | 運営 | 調べられる情報 | リンク |
|---|---|---|---|
| 重ねるハザードマップ | 国土交通省 | 洪水・内水・土砂災害・高潮・津波を1枚の地図に重ねて表示。住所入力で自動表示 | disaportal.gsi.go.jp |
| 岡山市WEB版ハザードマップ | 岡山市 | 洪水・土砂、高潮、地震、津波(岡山市地域版。現在地の避難所・開設状況も確認可) | city.okayama.jp/bosai/hazardmap |
| 土砂災害警戒区域 検索GIS | 岡山県 | 市町村名・大字町名・地番を選んで警戒区域を地図で検索 | pref.okayama.jp/page/739379 |
岡山市WEB版ハザードマップは2026年8月20日に更新されています(岡山市公表)。 重ねるハザードマップは国交省の全国統一サイトで、洪水・土砂災害・高潮・津波のリスクを住所入力後に自動で地図表示し、 リスクの説明文も併せて表示する機能があります。
洪水:岡山市が想定している雨量と河川
岡山市のハザードマップは「計画規模(数十年に一度を想定した治水の基準)」と「想定最大規模(考えられる最大の降雨)」の 2種類の浸水想定区域図を公表しています。想定最大規模は、実際に発生する確率ではなく「起こり得る最大」を示す数値です。
| 水系・河川 | 管理者 | 規模区分 | 基準時間 | 総雨量 |
|---|---|---|---|---|
| 旭川・百間川 | 国管理 | 計画規模 | 48時間 | 257mm |
| 旭川・百間川 | 国管理 | 想定最大規模 | 48時間 | 756mm |
| 宇甘川(旭川水系) | 県管理 | 計画規模 | 48時間 | 195.1mm |
| 宇甘川(旭川水系) | 県管理 | 想定最大規模 | 48時間 | 684mm |
| 笹ヶ瀬川・足守川・砂川(一宮) | 県管理 | 計画規模 | 24時間 | 188.5mm |
| 笹ヶ瀬川・足守川・砂川(一宮) | 県管理 | 想定最大規模 | 24時間 | 654mm |
データはokayama-flood-rainfall-scenarios.csvとしても提供しています。
出典:岡山市「洪水・土砂災害ハザードマップについて」(ページ更新日 2021-11-30、取得日 2026-09-03)。
過去に実際に浸水した記録
岡山県は河川流域ごとの「浸水実績図」を公表しています。岡山市に関わる記録として、以下が確認できました。
| 発生時期 | 災害名 | 浸水が確認された地域 |
|---|---|---|
| 平成23年9月 | 台風12号 | 浸水実績図が公表されている地域(岡山県内) |
| 平成30年7月 | 平成30年7月豪雨 | 高梁川下流・小田川地区 |
| 平成30年7月 | 平成30年7月豪雨 | 高梁川中流地区 |
| 平成30年7月 | 平成30年7月豪雨 | 高梁川上流地区 |
| 平成30年7月 | 平成30年7月豪雨 | 旭川・砂川地区 |
データはokayama-flood-history.csvとしても提供しています。
出典:岡山県「岡山県における浸水実績」(ページ更新日 2020-11-26、取得日 2026-09-03)。
このページには他に鴨川・干田川・軽部川・幸崎川など計16流域以上の浸水実績図がPDFで公開されています。
土砂災害:警戒区域の仕組みと調べ方
土砂災害には2段階の指定があります。土砂災害警戒区域は「土砂災害のおそれがある区域」、 土砂災害特別警戒区域は「そのうち建物の損壊が生じ、住民に著しい危険が生じるおそれがある区域」です。 (出典:岡山市「市内の土砂災害警戒区域等について」、取得日 2026-09-03)
指定は住所(地番)単位で細かく分かれており、区(北区・中区・東区・南区)単位の合計件数は 岡山市・岡山県の公開ページ本文には記載がありませんでした。個別の場所を調べるには、 岡山県が提供するGIS(市町村名・大字町名・地番を選択して検索)を使う必要があります。 出典:岡山県「土砂災害警戒区域・特別警戒区域の調べ方について」(ページ更新日 2023-01-11、取得日 2026-09-03)。
地震:岡山県に関わる主な想定地震
地震調査研究推進本部が公表する「岡山県の地震活動の特徴」ページに挙げられている断層と発生確率です。 これらの断層がすべて岡山市の直下や近傍を通るわけではなく、岡山県全体に関わる情報として掲載されています。 岡山市に限定した「今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」の数値は、今回の調査では確認できませんでした。
| 断層・地震 | 想定規模 | 30年以内発生確率 |
|---|---|---|
| 那岐山断層帯 | M7.3程度 | 0.06%〜0.1% |
| 山崎断層帯主部(北西部区間) | M7.8程度 | 0.2%〜2% |
| 中央構造線断層帯 根来区間 | M7.2程度 | 0.008%〜0.3% |
| 中央構造線断層帯 紀淡海峡-鳴門海峡区間 | M7.5程度 | 0.005%〜1% |
| 中央構造線断層帯 讃岐山脈南縁東部区間 | M7.7程度 | 1%以下 |
| 南海トラフ | M8〜9クラス | 60%〜90%程度以上(すべり量依存BPTモデル) 20%〜50%(BPTモデル) |
データはokayama-earthquake-faults.csvとしても提供しています。
出典:地震調査研究推進本部「岡山県の地震活動の特徴」(算定基準日 2026-01-01、取得日 2026-09-03)。
より細かい地点別の確率地図は、防災科学技術研究所「J-SHIS」で確認できます:
j-shis.bosai.go.jp(同サイトの地図上で岡山市を指定すると地点別の数値が表示されます。数値はページ本文からは抽出できなかったため、このページには転記していません)。
分かったこと
- 岡山市は「重ねるハザードマップ」(国交省)と「WEB版ハザードマップ」(岡山市)の2つの公式サイトで、住所を入れれば洪水・土砂災害・地震・津波などのリスクをその場で確認できる(両サイトとも公開データを直接見るのが最も正確)
- 洪水の想定最大規模は、旭川・百間川で48時間756mm、笹ヶ瀬川・足守川・砂川(一宮)で24時間654mmと、いずれも計画規模の3倍前後の降雨を想定している
- 平成30年7月豪雨では、旭川・砂川地区を含む岡山県内の複数地区で浸水実績が公表されている
- 土砂災害警戒区域・特別警戒区域は住所(地番)単位の指定であり、区単位の合計件数として公開ページ本文には出ていない
- 岡山県に関わる断層のうち、南海トラフ地震は30年以内の発生確率が60%〜90%程度以上(すべり量依存BPTモデル)とされ、他の内陸断層(山崎断層帯・中央構造線など)より大幅に高い。出典には算出方法の違う「20%〜50%(BPTモデル)」も併記されている
調べきれなかったこと
- 岡山市の区(北区・中区・東区・南区)ごとの土砂災害警戒区域・特別警戒区域の件数(岡山市・岡山県の公開ページ本文に記載がなかった)
- 岡山市に限定した「今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」の具体的な数値(地震調査研究推進本部のページ本文からは抽出できず、J-SHISの地図を個別に操作する必要がある)
- 洪水浸水想定区域図の「想定浸水深」のランク(0.5m未満〜5m以上など)ごとの地域別の数値(PDF形式の詳細図でのみ確認可能で、今回はテキスト抽出ができなかった)
- 吉井川・高梁川水系の想定最大規模の具体的な降雨量数値(対象河川一覧表がPDF個別ファイルで、本文には数値が記載されていなかった)