このガイドの読み方
介護保険は「申請 → 認定調査と主治医意見書 → 審査判定 → 認定通知 → ケアプラン作成 → 利用開始」という順で進みます。 このうち本人・家族が動くのは主に 申請 と 調査への立ち会い と ケアプランの相談 の3か所で、 残りは市とかかりつけ医の側で進みます。
どこから手をつけていいか分からない場合、岡山市は「地域包括支援センター」を高齢者の相談窓口として案内しています。 市内16か所にあり、相談は無料、受付は平日午前8時30分から午後5時(祝日・年末年始を除く)です (岡山市「地域包括支援センターについて」)。 本人が窓口に行けない場合、申請そのものを代行してもらうこともできます(後述)。
誰が使えるか
厚生労働省の解説では、40歳以上の人が介護保険の被保険者になり、65歳以上が第1号被保険者、 40〜64歳で医療保険に加入している人が第2号被保険者と説明されています。 40〜64歳の場合は、老化が原因とされる病気(特定疾病)によって要介護・要支援の状態になった場合にサービスを利用できる、とされています (厚生労働省 介護サービス情報公表システム「介護保険とは」)。
岡山市の「介護保険の相談・受付」ページも、対象を「65歳以上で介護や支援が必要となった人」および「40歳以上65歳未満の医療保険に加入している方で、16種類の病気により介護や支援が必要となった人」としています (出典)。 岡山市のよくある質問では、40〜64歳について「特定疾病の条件がありますので、介護保険課もしくは福祉事務所介護サービス係へお問い合わせください」と案内されています (出典)。 自分が特定疾病に当たるかどうかは、このページでは判断できません。介護保険課(086-803-1240)か福祉事務所に確認してください。
参考として、厚生労働省の解説ページに挙げられている特定疾病は次の16です。 末期がん/筋萎縮性側索硬化症/後縦靭帯骨化症/骨折を伴う骨粗しょう症/初老期における認知症/ 進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症およびパーキンソン病/脊髄小脳変性症/脊柱管狭窄症/早老症/ 多系統萎縮症/糖尿病性神経障害・糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症/脳血管疾患/閉塞性動脈硬化症/ 慢性閉塞性肺疾患/両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症/慢性関節リウマチ (出典)。
全体の流れ
| 段階 | やること | 動く人 | 期間・期限 |
|---|---|---|---|
| 0 相談 | 地域包括支援センターまたは福祉事務所に相談する | 本人・家族 | 相談は無料。地域包括支援センターは平日8:30〜17:00、福祉事務所は8:30〜17:15 |
| 1 申請 | 要介護・要支援認定申請書を福祉事務所介護サービス係/支所総務民生課へ提出 | 本人・家族・代行者 | 郵送可。必要と感じたときに申請 |
| 2 調査 | 認定調査員の訪問調査を受ける/主治医が意見書を作成する | 市の調査員・かかりつけ医 | 日程は市から連絡 |
| 3 審査 | 一次判定(コンピュータ)と二次判定(介護認定審査会) | 市・審査会 | 申請から認定通知まで原則30日以内 |
| 4 計画 | ケアプランを作る(要介護と要支援で相談先が違う) | ケアマネジャー/地域包括支援センター | — |
| 5 開始 | ケアプランに基づき事業者と契約して利用開始 | 本人・家族 | — |
| 6 継続 | 更新申請/区分変更申請 | 本人・家族・代行者 | 更新は有効期間満了日の60日前から受付 |
段階3の「申請から認定の通知までは原則30日以内」は、厚生労働省の 「サービス利用までの流れ」 に書かれている日数です。岡山市ふれあい公社の 「介護のこと」 でも、原則30日以内に結果通知書が郵送されると案内されています。
段階別チェックリスト
0. 相談する
- 担当の地域包括支援センターを、担当中学校区から探す(下の一覧)。相談は無料。
- 40〜64歳の場合は、特定疾病に当たるかを介護保険課(086-803-1240)または福祉事務所介護サービス係に確認する。
- 岡山市ふれあい公社は、地域包括支援センターで「心身の状態にあわせて、基本チェックリストや要介護認定の申請をご案内」すると説明しています(出典)。いきなり申請書を書かなくても、まず相談で構いません。
1. 申請する
- 申請書:岡山市の「要介護・要支援認定申請書」。新規・更新・区分変更で共通の様式です。PDF・エクセル・記入例が 岡山市のページからダウンロードできます。
- 様式の変更:同ページに「令和8年4月1日以降は、新様式による申請をお願いします」と記載があります。同意欄の記載内容が変わり、国の「介護情報基盤」への対応によるもので、岡山市では令和9年10月開始で情報連携を予定している、と説明されています。古い様式を保管している場合は差し替えてください。
- 持ち物:介護保険被保険者証。40〜64歳の場合は健康保険証(出典)。
- 出す先:管轄の福祉事務所介護サービス係、または支所総務民生課(出典)。
- 郵送:郵便で申請することも可能、と案内されています(出典)。
- 代行:本人が窓口に行けない場合、家族のほか、地域包括支援センター・指定居宅介護支援事業者・介護保険施設が申請を代行できる、と案内されています(出典)。
- いつ出すか:岡山市は「要介護認定には有効期間(新たに申請される時は原則6ヶ月)がありますので、介護サービスが必要と感じたときに申請してください」と案内しています(出典)。
2. 調査を受ける
- 市区町村等の調査員が自宅や施設等を訪問し、心身の状態を確認するための認定調査を行います(出典)。
- 入院中の場合:岡山市は、入院中の医療機関での訪問調査も可能としたうえで、退院・転院のときは「管轄の福祉事務所までお早めにご相談ください」と案内しています(出典)。退院日が決まったら、まずここに連絡してください。
- 主治医意見書:かかりつけの医師が心身の状況について主治医意見書を作成します。申請者が意見書の作成料を負担することはありません(出典)。岡山市は医療機関向けに「主治医意見書予診票」(出典)と「主治医意見書記入の手引き」(出典)を用意しています。かかりつけの医師がいない場合は、市が指定する医師の診察を受けることになります(出典)。
3. 結果を受け取る
- 認定調査結果と主治医意見書によるコンピュータの一次判定、介護認定審査会の二次判定を経て、市が要介護度を決定します(出典)。
- 申請から認定の通知までは原則30日以内(出典)。
- 区分は、非該当と、要支援1・2から要介護1〜5の7段階(出典)。
- 厚生労働省の「要介護認定に係る法令」ページ(法第28条第1項)では、有効期間は新規認定6か月(市町村の判断で3〜12か月の範囲で調整可能)、更新認定は区分が変わる場合12か月(3〜36か月)、区分が同じ場合12か月(3〜48か月)と整理されています(出典)。岡山市のよくある質問は新規について「原則6ヶ月」としています。
- 結果に納得できない場合:岡山市は、通知を受け取った日の翌日から起算して3か月以内に、岡山県介護保険審査会(受付窓口:岡山県備前県民局健康福祉課 086-272-3931)に申し立てることができる、と案内しています(出典)。申立先は岡山市ではなく岡山県です。この3か月は、このガイドで扱う期限のうち最も短いものです。
4. ケアプランを作る
| 認定結果 | 相談先 | 作る計画 |
|---|---|---|
| 要介護1〜5 | 居宅介護支援事業者(介護支援専門員=ケアマネジャー) | 居宅サービス計画(ケアプラン) |
| 要支援1・2 | 地域包括支援センター | 介護予防のサービス計画 |
| 非該当 | 地域包括支援センター | 総合事業・一般介護予防事業の利用を相談 |
要介護1以上は居宅介護支援事業者へ依頼、要支援1・2は地域包括支援センターに相談、という分かれ方は 厚生労働省の「サービス利用までの流れ」に記載があります。 非該当の場合に総合事業・一般介護予防事業が利用できる(65歳以上なら誰でも参加できる事業がある)という説明は、 岡山市ふれあい公社の「介護のこと」によります。
岡山市は居宅サービス計画について、「利用者が、いつ、どこで、どんなサービスをどのくらい利用するかを決めるもの」で、 「ケアマネジャーが利用者と面接して、問題点や課題を把握し、家族やサービス事業者を含めた話し合いを行って作成します。 利用者が自ら作成することもできます」と説明しています (出典)。
5. 使い始める・お金のこと
- ケアプランに基づき事業者と契約してサービスを利用します(出典)。
- 利用者負担額は原則として介護サービス費用の1〜3割。要介護度により利用できるサービスの上限額が定められています(出典)。上限額そのものの金額は、今回の調査では公開ページ上で確認できませんでした。
- 介護保険負担割合証:有効期間は1年間(8月1日から翌年7月31日)。既に認定を受けている人には毎年7月下旬に交付、新規申請者には認定結果の通知時に交付されます(出典)。サービス事業者に見せる書類なので、届いたらすぐ保管場所を決めてください。
負担割合の判定基準として岡山市のページに載っている内容は次のとおりです。
| 負担割合 | 本人の合計所得金額 | 同一世帯の第1号被保険者の年金収入+年金以外の合計所得金額 |
|---|---|---|
| 3割 | 220万円以上 | 単身世帯340万円以上/2人以上世帯463万円以上 |
| 2割 | 160万円以上 | 単身世帯280万円以上/2人以上世帯346万円以上(3割の基準に当たらない場合) |
| 1割 | 上記2割・3割の基準に当たらない場合(160万円未満など) | — |
6. 続けるために
- 更新申請:有効期間満了日の60日前から、住所地を管轄する福祉事務所介護サービス係または支所総務民生課で受け付けています。申請時に介護保険被保険者証が必要です(出典)。認定通知が届いたら、その場で満了日の60日前をカレンダーに入れておくと切れ目が出にくくなります。
- 区分変更申請:心身の状態が変わったときは、新規・更新と同じ様式で区分変更を申請できます(出典)。
- 負担割合証の差し替え:毎年7月下旬に新しいものが届きます(出典)。
申請の窓口(福祉事務所)
受付時間はいずれも月曜〜金曜の午前8時30分〜午後5時15分(祝日・年末年始を除く)です。 電話番号は岡山市の2つのページで一部異なる番号が載っていたため、両方を並べています。 かける前に、どちらのページの番号かを確かめてください。
| 福祉事務所 | 住所 | 電話(相談・受付ページ) | 電話(認定申請書ページ) |
|---|---|---|---|
| 北区中央 | 〒700-8546 岡山市北区鹿田町一丁目1-1 | 086-803-1209 | 086-803-1213 |
| 北区北 | 〒700-0071 岡山市北区谷万成二丁目6-33(北ふれあいセンター内) | 086-251-6530 | 086-251-6532 |
| 中区 | 〒703-8566 岡山市中区赤坂本町11-47 | 086-901-1231 | 086-901-1233 |
| 東区 | 〒704-8116 岡山市東区西大寺中二丁目16-33(西大寺ふれあいセンター内) | 086-944-1822 | 086-944-1885 |
| 南区西 | 〒701-0205 岡山市南区妹尾880-1(西ふれあいセンター内) | 086-281-9620 | 086-281-9620 |
| 南区南 | 〒702-8021 岡山市南区福田690-1(南ふれあいセンター内) | 086-230-0321 | 086-230-0323 |
出典:岡山市「介護保険の相談・受付」(住所・受付時間・左の電話番号)、 岡山市「要介護・要支援認定申請書」(右の電話番号)。 制度全般の問い合わせ先は岡山市 保健福祉局 高齢福祉部 介護保険課(086-803-1240)です (出典)。 「支所総務民生課」も申請窓口として案内されていますが、所在地の一覧は今回の調査では確認できませんでした。
地域包括支援センター(市内16か所)
高齢者の相談窓口です。介護・介護予防・健康づくり・認知症・財産管理の相談に応じ、 要支援者・事業対象者のケアプラン作成、権利擁護(虐待防止、成年後見制度の紹介、消費者被害防止)も担当します。 保健師・看護師、社会福祉士、主任ケアマネジャーなどが配置されています。相談は無料、平日午前8時30分〜午後5時(祝日・年末年始を除く) (岡山市「地域包括支援センターについて」)。 担当は中学校区で分かれています。
| センター | 区 | 所在地 | 電話 | 担当中学校区 |
|---|---|---|---|---|
| 北区中央 | 北区 | 北区鹿田町一丁目1番1号(岡山市保健福祉会館内) | 086-224-8755 | 岡輝・石井・桑田 |
| 中央 平田分室 | 北区 | 北区平田407(ひらた旭川荘内) | 086-239-9211 | 御南・吉備 |
| 中央 北方分室 | 北区 | 北区大和町二丁目4-30 スペイン通り1階北A | 086-201-7201 | 岡北・岡山中央 |
| 北区北 | 北区 | 北区谷万成二丁目6番33号(北ふれあいセンター内) | 086-251-6523 | 中山・香和・京山 |
| 北 高松分室 | 北区 | 北区門前392-1 | 086-287-9393 | 高松・足守 |
| 北 御津分室 | 北区 | 北区御津金川449(御津保健福祉ステーション内) | 086-724-4611 | 御津 |
| 北 建部分室 | 北区 | 北区建部町福渡489(北区建部支所内) | 086-722-3300 | 建部 |
| 中区 | 中区 | 中区桑野715番地2(岡山ふれあいセンター内) | 086-274-5172 | 富山・操南 |
| 中区分室 | 中区 | 中区赤坂本町11-47(中区福祉事務所内) | 086-206-2871 | 東山・操山 |
| 中区 高島分室 | 中区 | 中区高屋174 | 086-230-3205 | 高島・竜操 |
| 東区 | 東区 | 東区西大寺中二丁目16番33号(西大寺ふれあいセンター内) | 086-944-1866 | 西大寺・上南・山南・旭東 |
| 東区 瀬戸分室 | 東区 | 東区瀬戸町瀬戸45(東区瀬戸支所内) | 086-952-3883 | 瀬戸・上道 |
| 南区西 | 南区 | 南区妹尾880番地1(西ふれあいセンター内) | 086-281-9681 | 妹尾・福田・興除 |
| 西 灘崎分室 | 南区 | 南区片岡159-1(ウェルポートなださき内) | 086-363-5070 | 藤田・灘崎 |
| 南区南 | 南区 | 南区福田690番地1(南ふれあいセンター内) | 086-261-7301 | 芳泉・芳田・福浜 |
| 南 市場分室 | 南区 | 南区市場1-1(岡山市中央卸売市場内) | 086-239-9151 | 福南・光南台 |
出典:岡山市ふれあい公社「地域包括支援センター センター一覧」。 元の一覧は市外局番を省いて記載されているため、岡山市の市外局番086を補って表記しています。
分かったこと
- 本人・家族が実際に動くのは「申請書を出す」「調査に立ち会う」「ケアプランの面接に出る」の3か所で、審査判定は市とかかりつけ医の側で進む。手続きの全体像が長く見えるわりに、自分でやることは多くない。
- 申請は郵送でもでき、家族のほか地域包括支援センター・指定居宅介護支援事業者・介護保険施設が代行できる。本人が窓口に行けないことは、申請を止める理由にならない(出典)。
- 持ち物は、65歳以上なら介護保険被保険者証、40〜64歳なら健康保険証。公開ページ上ではこの2点だけが明示されている。
- 新規認定の有効期間は原則6か月と短い。更新は満了日の60日前から受け付けるので、認定通知が届いた時点で次の申請時期が決まる。
- 要支援と要介護でケアプランの相談先が違う(要支援=地域包括支援センター、要介護=居宅介護支援事業者)。認定結果が出てから相談先を探すのではなく、結果によってどちらに行くかを先に決めておける。
- 入院中でも医療機関で認定調査を受けられる。岡山市は退院・転院の際に「お早めにご相談ください」としており、退院日が決まった時点が動くタイミングになる(出典)。
- 令和8年4月1日から認定申請書の様式が変わっている。古い様式を保管している場合は差し替えが要る。
- 負担割合証は8月1日〜翌年7月31日の1年サイクルで、既認定者には毎年7月下旬に届く。新規は認定結果の通知と同時に届く。
調べきれなかったこと
- 本人確認書類・マイナンバーの要否。岡山市の認定申請書のページには、本人確認書類や個人番号確認書類が必要かどうかの記載を見つけられませんでした。申請前に福祉事務所に確認してください。
- 支所総務民生課の所在地一覧。申請窓口として案内されていますが、住所・電話の一覧を公開ページ上で確認できませんでした。
- 福祉事務所の電話番号の食い違い。「介護保険の相談・受付」ページと「要介護・要支援認定申請書」ページで、6か所のうち5か所の番号が1〜2桁違います。係ごとの直通番号が別々に載っている可能性がありますが、どちらがどの係かは確認できませんでした。
- 区分支給限度基準額(要介護度ごとの利用上限額)。「上限額が定められている」という説明はありますが、金額そのものを公開ページ上で確認できなかったため、このページには書いていません。
- 認定申請中にサービスを使えるか(暫定ケアプラン)。岡山市の事業者向けQ&AにあたるPDFに記載がある様子でしたが、PDFの本文を読み取れず確認できませんでした。急ぎの場合は福祉事務所またはケアマネジャーに確認してください。
- 負担限度額認定(施設入所時の食費・居住費の軽減)の負担限度額そのもの。所得段階と資産の要件(第3段階(2)=預貯金等が単身500万円・夫婦1500万円以下、第3段階(1)=550万円・1550万円、第2段階=650万円・1650万円、第1段階=1000万円・2000万円)は岡山市のページ本文にありますが、軽減後の食費・居住費の額はPDFのため読み取れていません(岡山市「負担限度額認定について」)。
- 基本チェックリスト(総合事業の事業対象者になる仕組み)の判定基準。地域包括支援センターで案内されるとの記載はありますが、判定基準の本文は市のマニュアルPDF内にあり確認できませんでした。