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TASK 064

岡山の伝統工芸ガイド — 技法・生産地・現状・若手育成

備前焼、勝山竹細工をはじめ、岡山県内の伝統的工芸品13品目(国指定2・県指定11)について、 公開資料をもとに技法・生産地・指定年をまとめ、後継者や若手育成の状況が確認できたものは 数字つきで記載しました。確認できなかった項目は「調べきれなかったこと」に分けています。

出典
岡山県ホームページ(マーケティング推進室)伝統的工芸品ページ、備前市、日本経済新聞、 協同組合岡山県備前焼陶友会、中国経済連合会、井原デニムストア、ANA翼の王国 ほか(本文中に個別リンクあり)
取得日
2026-09-09
公開日
2026-09-09
件数
岡山県内の伝統的工芸品13品目(経済産業大臣指定2・岡山県指定11)+指定外の関連産地1件
この記事は公開資料をまとめ直したものです。 技法や産地の状況は変わることがあります。最新の情報は各出典元でご確認ください。 「勾玉」は今回確認した岡山県の公式一覧には含まれていません(詳しくは本文参照)。 後継者の人数・年齢などの数字は、出典に明記されているものだけを記載しています。

使い方

「一覧」で13品目の指定区分・指定年・所在地・主な製品を確認できます。「技法」で各品目の作り方の特徴を、 「現状・後継者」で数字つきの現状データが確認できた品目(備前焼・勝山竹細工・郷原漆器)をまとめています。 公式一覧に入っていない産地(井原市の藍染め)と、確認できなかった項目は末尾にまとめました。

岡山県内の伝統的工芸品 一覧(13品目・国指定2+県指定11)

品目指定区分指定年月日所在地主な製品
備前焼国指定1982-11-01岡山市・備前市・瀬戸内市ほか日常雑器・茶陶器・壺・甕
勝山竹細工国指定1979-08-03真庭市勝山地域かご・ざる・盛り籠・花器
郷原漆器県指定1992-11-16真庭市川上地域(蒜山)椀類などの食器
虫明焼県指定1988-04-08瀬戸内市邑久町茶器・花器
烏城紬県指定1988-04-08岡山市着物・巾着・ネクタイ
備中和紙県指定1982-03-01倉敷市清川内紙・備中鳥の子・備中宇陀紙ほか
倉敷はりこ県指定1981-01-30倉敷市張り子の虎・十二支
津山箔合紙県指定1981-01-30津山市金箔・銀箔を挟む箔合紙
手織作州絣県指定1981-01-30津山市木綿絣織物
撫川うちわ県指定1982-03-01岡山市お多福型のうちわ
がま細工県指定1982-09-10真庭市蒜山地域手提げかご・雪靴
高田硯県指定1982-09-10真庭市勝山地域
津山ねり天神県指定1988-04-08津山市天神人形

出典: 岡山県伝統的工芸品 - 岡山県ホームページ(マーケティング推進室)、 および各品目の個別ページ(備前焼勝山竹細工郷原漆器虫明焼烏城紬備中和紙倉敷はりこ津山箔合紙手織作州絣撫川うちわがま細工高田硯津山ねり天神(すべて2026-09-09取得)

技法(品目ごと)

備前焼

釉薬を使わず、松割木で長時間焼きしめる技法。成形はろくろ成形・たたら成形・押型成形・手ひねり成形。 炎や灰の当たり方で胡麻・桟切り・牡丹餅・緋襷・青備前・伏せ焼などの「窯変」模様が生まれる。 原材料は地元産のヒヨセ粘土・長船黒土・山土など。

勝山竹細工

晒しや皮むきをしない青竹を使い、「こしらえ」「編み」「縁仕上げ」の3工程で作る。輪造りと「ござ目編み」による編みが特徴で、使い込むほどにあめ色に変化する。

郷原漆器

栗材(ヤマグリ)を輪切りにし、生木のまま年輪の中心を一気にろくろ挽きして木地を作る技法が特徴 (他の漆器産地には見られない手法)。全工程が手作業で、拭漆技法により木目を活かして仕上げる。

虫明焼

成形はろくろ・たたき成形・たたら成形など。素地に化粧掛けや彫りで模様をつけ、手描きの下絵付けを施す。 釉薬は長石釉・藁灰釉など。本焼きは1280度で40〜48時間かけて焼成する。

烏城紬

緯糸を撚らず、束ねて絡める「からみ」という独自の技法が特徴。かすり糸は手くくりで染色し、生糸のみを使用する。

備中和紙

「流し漉き」による手漉き和紙。簀は萱・紗・竹製、ねりにはトロロアオイを使用。コウゾを原料とする 「清川内紙」、ガンビを用い寒中に漉く「備中鳥の子」(仮名書道小字用)など、原料により趣の異なる種類がある。

その他7品目

倉敷はりこ(張り合わせ・彩色を手作業、和紙と泥絵具を使用)、津山箔合紙(ミツマタを原料とした流し漉き、 金箔・銀箔工芸の箔合紙)、手織作州絣(先染めの手織り、「くくり」で染めたかすり糸を使用)、 撫川うちわ(「すかし」「歌つぎ」技法、64本以上の骨)、がま細工(がまとヤマカゲの皮ひもを三つ組み・ 四つ組みで編む)、高田硯(勝山町産の黒色粘板岩をのみで手彫り)、津山ねり天神(津山市産粘土に和紙を 混ぜ、型からはずしたあと窯で焼かずに天日で乾かす)。詳細は下記出典を参照してください。

現状・後継者について確認できたこと

数字を伴う後継者状況が確認できたのは以下の3品目です。なお撫川うちわ(撫川うちわ保存会 三杉堂)と手織作州絣(作州絣保存会)については、岡山県公式ページに保存会が技術の伝承と後継者育成に取り組んでいる旨の記載があります(人数の記載はありません)。

備前焼

岡山県立美術館が2020年1〜3月に実施した調査(調査票発送494件、回答155件)では、 「後継者がいない」と答えた割合が58%(1997年の前回調査では23%)に増加。「後継者がいる」は 22%(前回33%)、「わからない」は19%(前回43%)でした。回答者の年齢構成は40代28%・70代24%・ 60代17%で、前回(40代29%・50代26%・60代20%)と比べ50代の減少が目立ちます。

出典: 日本経済新聞「備前焼『後継者いない』が2倍に 23年ぶり調査」(2026-09-09取得)

備前市は「備前焼製作技術継承者育成支援補助金」を実施しています。対象は義務教育修了者で市内に 住所を有し、認定技術保持者から月10日以上・1日3時間以上の指導を受け、将来3年以上市内に居住して 備前焼製作に従事する意思がある者など。補助対象経費は市内住宅の賃貸料(月額上限45,000円)と 実習に直接必要な材料費で、補助額は必要経費×4/5(年間上限200万円、補助対象期間3年間)。 年度予算の範囲内での運用で、実績報告の期限は3月15日です。

出典: 備前市「備前焼製作技術継承者育成支援」(2026-09-09取得)

業界団体として協同組合岡山県備前焼陶友会があり、体験プログラムの提供、公式通販サイトの運営、 毎年10月の「備前焼まつり」開催などを行っています。会員数など詳細な現状データはサイト内には 見当たりませんでした。出典: 協同組合岡山県備前焼陶友会(2026-09-09取得)

勝山竹細工

職人の高齢化と後継者不足により、1959年結成の勝山竹工協同組合は1997年に解散しました(約40年間活動)。 組合解散後も創作活動は続いており、現代的なかご等の容器や雑貨も作られています。組合解散後の職人数・生産規模についての公開データは確認できませんでした。

出典: 中国経済連合会「勝山竹細工」(2026-09-09取得)

郷原漆器

一度途絶えかけた技術ですが、昭和60年(1985年)頃から調査研究が始まり、平成元年(1989年)7月から 地元有志による復活の取り組みが始まりました。現在の後継者の人数・年齢構成についての記載は見当たりませんでした。

出典: 岡山県ホームページ(郷原漆器)(2026-09-09取得)

分かったこと

調べきれなかったこと